先週の土曜日、4月10日に第98回入学式がおこなわれました。

緊張した面持ちの1年生が名前を呼ばれ、前に出てくるのを見ると、毎年、ほほえましい気持ちになります。

 

97年前の大正13年4月10日、第1回の入学式がおこなわれました。

場所は、東京府北多摩郡武蔵野村西窪。

まだ三鷹駅がない頃で、一面の麦畑と、雑木林の中に、忽然と現れた白壁の校舎だったそうです。

 

関東大震災の直後となり、校舎の建築も途中であった中、いったい、何人の入学児がいるかもわからない中で、創立者3人は野辺の花を摘んで飾っただけの会場を整え、子ども達を待ちました。

 

果たして、子どもは実際に来るのだろうか…

 

開始時刻が近づくと、ぽつぽつと、ご家族に手を引かれた子ども達がやってきました。

その数、6人。

3人の教師と周りを囲んだご家族で、静かで、質素ではあるけれど、心のこもった、温かい入学式だったそうです。

 

当時から見れば、今は想像もつかないような立派な建物になり、机も椅子もしっかりし、花も豪勢になったことでしょう。

それはそれで、本当にありがたいことです。

しかし、どのような外見になろうとも、私どもは、子ども達1人1人をかけがえのない存在として受け止め、教師たちが親身になって、魂から関わることだけは、変わらずに続けていきます。

<校長ブログ019>入学式~98年の時を経ても、続くこと~