毎週金曜日に投稿している校長ブログですが、先週はお休みをさせていただきました。
臨海学校の下見、打ち合わせのため、内房・岩井海岸に出かけていたためです。
むさしの学園は、自然の中に身を置くことをとても大切に考えています。
その一環として、臨海学校を長きにわたり、続けてきました。
昨年、一昨年とコロナ禍により、開催を断念したのは、本当に残念なことでした。
さて、創立者・佐藤藤太郎先生は、こう書いています。
「一年ぶりで、あの海に参り、『今年もまた参りました』と心の中で挨拶してざぶんと飛び込み、悠々と泳ぐ時も気持ちは、何とも言いようのないものです。」
藤太郎先生は、この箇所の前に、「臨海学校は決してなまやさしいことではない」と書いた上で、
臨海学校が近づくとどうしても、心が躍る、と繰り返し書かれています。
これは、私も同感です。
「決してなまやさしいことではない」という緊張感と共に、
「さあ、いよいよ海の準備をするぞ」という高揚感が湧きあがってきます。
卒業生でもある私は、小学生当時の臨海生活をよく覚えています。
しかし、当時の私は、けっしてワクワクして臨海の始まりを迎えたわけではありません。
毎晩、泣き明かすほど、ホームシックに浸った訳ではありませんが、やはり親元を離れての海浜生活は、不自由なものです。
そんな生活を6年間も繰り返したことは、言葉にしきれない、大きな印象を私に残しています。
このことも、臨海を前にした緊張感と高揚感の土台になっているのでしょう。
子ども達にとって、その時点では苦しいこと、辛いことでも、長じて振り返ると、大きな意味を残すことがあります。
一人ひとりが、自らを活かして、深い喜びを味わう毎日を送るために、臨海学校が、目に見えない土台になってくれたらいいと考えています。