ある聖書の授業で、その日のトピックについて話し合っている時、6年生の子が、こんなことを言いました。

「私には、まだ経験がないから、わからないな」

 

よくわからないから、考えることを放棄した、というニュアンスではなく、理屈としてはわかるけど、まだ実感はできそうもない、という印象でした。

 

子ども達の話を聞いていると、よく考えているな、と感じることがあります。

しかし、子ども達はすべてを語るわけではありません。

明確に自覚、言語化できていないということもあるでしょうし、あえて発言しない、ということもあるでしょう。

わざと茶化してしまうことも多くあります。

 

それでも、言葉の端々やちょっとした表情、動きに、

「この子は、こういう感覚でいるのかな…」

と、一端が表れることがあります。

 

そんな、ひそやかなヒントを、私も大切に、心に留めておこうと思っています。

 

自分の考え、気持ちを明確に表現する力は、とても重要です。

国語という教科の学びというだけでなく、人間関係においても、必要なことです。

 

しかし、あえて語られなかった方にこそ、私は関心をもっておきたいと考えています。

皆が顔見知りの家族のような、小さい学園だからこそ、1人1人、その子自身に深く関心を持ち、丁寧に関わっていきたいと考えています。

<校長ブログ061>主体的で、対話的な学びのために