小学校生活は、人生の基盤となる大切な時間です。

・いわゆる学び・知識・技能などの基礎を身につける面

・子ども同士、子どもと教師など、人間関係を広げたり、深めたりする面…

いろいろな観点で、重要です。

 

先日、子どもの図書について調べている時、偶然に、こんな記事を見つけました。

「東京都子ども読書推進フォーラム基調講演
人生を豊かにする読書
柳田邦男氏」(東京都立図書館ホームページ)

※出典元は、こちら

 

その中で、ノンフィクション作家として知られる柳田邦男氏が、こう述べられたところがあります。

<引用開始>

私は、人が日常の中で何を好みとし、何に感動し興味を引かれるかを、「心の習慣」と呼びたいと思います。心が何に向かって動くのか、心が何を受け入れるか。そういう関心事や興味や感動は人それぞれ違います。自分の性格や好み、あるいは「心の習慣」がどういうふうに形成されたか、その原点を探るのはとてもおもしろいことです。

<引用ここまで>

 

「心の習慣」

とても、私に響く表現でした。

 

私たちには、自覚する、しないに関わらず、柳田氏の言う「心の習慣」が形成されていると思います。

「心の習慣」が満ちる生活をしていれば、心の底から充実感を得られるでしょう。

自分の「心の習慣」を理解してくれる人と過ごせば、幸せな気持ちが何倍にもなるでしょう。

しかし、逆に否定されれば、自分の人格を否定されたような気にさえ、なるかもしれません。

 

それほど重要な「心の習慣」がどう育まれるか。

その「原点」として、小学校生活は、かなり大きなな側面を担います。

 

むさしの学園は、田園の教育の学校です。

野川の時間など、自然の中で伸び伸びと過ごすことを大切にしています。

学びには集中を求めますが、一方で、休み時間をしっかりと確保し、体を動かし、心が解放される時間を取ります。

このような経験・時間は、具体的な数値として特定できないかもしれないけれど、小学生という発達段階の子ども達にとって、かけがえのないものであり、彼らの「心の習慣」が、より人間的で、より柔軟なものになることにつながると確信しています。

 

その結果、一人一人が、それぞれの「心の習慣」に基づいた自己実現に向けて、歩み続けることができるのです。

<校長ブログ011>子ども時代の何が、その後を決めるのか。